こんにちは。中浜です。
京都大学交響楽団 第202回定期演奏会から1か月が経過。そろそろ熱も収まってきたので、演奏会を振り返ってみたいと思います。家でもそうですが、語りだすと熱く、長くなってしまうので、あえて冷却期間を設けていました(笑)
1月15日(月)この日は会社を早退し(もちろん事前に上長、チームの皆の了解を得ています)ザ・シンフォニーホールへ向かいました。
最後の仕事がちょっと押してしまったので、JR福島駅からシンフォニーホールへ向かいました。JR大阪駅からだと15分くらいかかりますが、福島駅からだと7分くらいで到着します。
時間の焦り、演奏への期待に、自身の気がかなり乱れているのを感じたので、開場に入る前に深呼吸。青いイルミネーションを記念に撮影。妻に「行ってきます」とメール。気分を落ち着けてから会場入りしました。
今回演奏されたのはサン・サーンスの交響曲第3番、通称『オルガン付き』です。穏やかでゆったりとした『白鳥』で知られるサン・サーンスですが、この曲は『白鳥』とは全く異なる彼の魅力、華麗さ、斬新さ、そして作曲に懸ける情熱をいかんなく表現しつくしています。特筆すべきは最後の4楽章で、特にラストのオケ・ピアノ・オルガンの三者による共鳴・音の渦はこの曲最大の魅力で、これを聴きに来たといっても過言ではなかったのです。
パイプオルガンという楽器はその性質上ホールと一体化する形で作られていて、それだけに奏でられる音も壮大で、この楽器の出す音だけで他の全てに引けを取らない程の力を持っています。ホール全体から生み出される壮大なパイプオルガンと、舞台上のオケとが巨大な“音塊”を作り出す。まさにそれは圧巻だと思いますし、そのような聴衆を一瞬で惹きつけるような、とてつもない音を自在にコントロールしたサン・サーンスの才能に尊敬・畏れの念すら感じるのです。
やはり“生音”には、それだけで価値があると思っています。何日もかけて用意された“万全の体制”で録音され、細部までノイズカットを施された録音音源とは異なり、やはりライブならではの演奏者の息遣いや、曲、楽章の合間の舞台、客席のざわめきなど、デジタル音源では拾得ない無数の偶然の要素が“生音”の醍醐味ではないでしょうか。曲そのものにCDでは味わえない“生命力”を与えているのです。母がピアノを弾く人だったので幼少期からクラシックCDを普通の人よりもよく聴く環境でした。(そして中浜も少しですがピアノを弾きます)しかし、初めて行ったコンサートの衝撃を今でも忘れることができません。CDでは味わえない細かな音、空気、熱、そういったもの全てに圧倒されてしまいました。今もこうしてコンサートに通うのは、コンサートホールという“音に触れるためだけに用意された最良の環境”と生音の“圧倒的な臨場感”という魅力があるからです。
これを生で聴けたのが本当に良かった。何とも贅沢な時間でした。